2010年12月11日土曜日

研修終了

僕のではなく、同じ顧客情報管理の仕事をしてくれていた中国人研修生の、である。

一昨日が最終日だった。

仕事としては、自分が担当していた3種類の月次報告書の作成を任せた。

9月末からの非常に短い期間だったこともあり、一つの歯車として手伝ってもらったという以上の真実は無いのではないかと思われる。

組織の中で自分で考えてアクションを起こせるようになるためには一定の時間が必要であり、「自分で考えてアクションを起こす」ためには割り振られた責任範囲を全うするためのロジックを体得する必要がある。

もちろん、マニュアルに基づいて求められたアウトプットを忠実に積み重ねていくことも大切であり、時間がない場合はそうすることが最優先事項であるが、それだけでは歯車としての存在価値しか発揮できない。

特に専門も無く短期間の研修に身を投じるということは、そうした期待値の基に働くということを受け容れるということだ。

よほど仕事の内容と自分のそれまでの経験が結びついていないと短期間での仕事は難しいということだろう。

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個人的経験に則れば、多少時間がかかってでもいいから、ゼロから試行錯誤して求められるアウトプットを形にするのが最善なのだろうと思う。

責任範囲の中で最低一つはそういう経験を持つことが出来れば、それを応用できるだろうし、自信もつく。

思い返せば、構想以外に何も無かったところに情報を残すための形式を作ったという我が研修は、まさにそうした道のりであったし、「構想以外に何も無かった」という前提条件を大義名分として試行錯誤するための時間を与えられたように思う。

試行錯誤というのは、要は「遊ぶ」時間のことである。

メーカーで言えば研究開発部門とでも喩えられよう。採算をある程度度外視して投資するからだ。

月次報告書を作るといっても3つのうち2つは僕がこの会社に来てからデータを回収し始めたので、したがってその2つの報告書については上司たちに相談しながらゼロから形にしていった。

そして僕の場合はエクセルを用いた試行錯誤。見えやすい形式、わかりやすい情報要約、そもそも数字をどうまとめるかなどなど。

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改めて、上記を踏まえて、仕事或いは組織を引き継ぐ際にはどうしたらいいのかという問いについて考えてみたい。

一番コストがかかるものの、学習効果が高いという意味では、何もない状態で試行錯誤させ、ゆっくり形にしていくというのが理想だろう。

しかしそういう形で事を為すには何が何でも自分でやってやるという進取の気性とでも言えるような心持が必要である。

ところが人間誰しもがそんなメンタリティをもっているわけではないし、特に会社という組織にはむしろそんなものが不要である局面も多くあるのだと思われる。

では、どうしたらいいのかというところだが、仕事の一通りの流れと期待されるアウトプットのイメージを残して後継に任せる、といった辺りが落とし所なのだと思う。

途中の経過を如何に処理するかは個々人の段取りの方法があると思うし、手取り足取り教えても一方的になんやかんや言ったところで本人が体得するとは限らない。

アウトプットのイメージを示す以外は基本的に丸投げして試行錯誤させ、質問されたら応えるというのが、こなすべきオペレーションも消化できるし、本人のためにもなるだろう。


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