自分が応援したいと思っていて、かつ、これから順風満帆に進んでいくだろうと思っていた人が泣きそうになっている状況で、それをただ見守ることしかない時ほど無力さを感じることはないだろう。
我がポルトガル語の先生のうちの無料でやってもらっている方は、東京の某私立大学へ留学に行くことが決まっていた。それを聞いたのが先週の事。
ところが今日顔を合わせた直後の第一声は「人生が逆さまになっちゃいそう(筆者意訳)」というものだった。
問題の根源は授業料が以前よりも値上がりしているのを突然知らされたことにあり、結果、想定よりもスムーズにことが運ばなくなったために茫然としている様子だった。
もともと自虐ネタを頻繁に口走る人なのだが、今日の授業ではあまり洒落になっていなかった。
2時間の授業の後に昼食を一緒に摂ったが、そこでもその話が中心だった。
いろいろ言葉を交わし、食後のデザート(Iogurte com framboesa!)も食べたので、少しは落ち着いたように見えた瞬間は大分ほっとしたものである。
とはいえ、「いいことあるさ、元気出そうよ!」みたいなことしか言えなかった自分の限界を感じたのも確かである。
どうやら、ここサンパウロで就いていた仕事の待遇があまりよくなかったが故の今回の出来事らしい。
その仕事もサンパウロ大学文学部日本文学専攻、東京の某有名私立大学での留学、それらの経験に基づく日本語運用能力を活かせると思っての選択だったのだそうだ。
その事実を聞いて、再びえも言われぬ切なさが積もる。
これほど賢い人が、しかも一応はその強みが活かせるからという理由で採用されたはずなのに、そんな羽目に陥らなければならないほどの給料で働かされるとは、と憤りすら感じたほどである。
今は、祈ることしかできない。
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