事前の名目は一日研修ということだったが、その実、ほとんどは座談会だった。そのディーラーの所長さんが、販売店内の見学に連れまわって下さった後、様々な質問に応えてくださった。実際に研修先企業/業界の方に話を伺ったり、現場に赴いたりしたことはなかったので、収穫は大きかった。
見学の最中は、主に販売店としての満たすべき基準の話に終始した。ディーラーの文脈では「認証工場」の上に「指定工場」という資格があり、今回訪問させてもらった販売店は関東に数件しかない「指定工場」だとのこと。自動車産業というのは総合的なものづくりであると同時に、コンテンツ産業でもあると感じた。特に嗜好品としての性質が強いバイク(二輪車)においてはなおさらだ。買ってもらうこと自体も大事だが、その先には買ってもらった後の長い付き合いが待っている。
一方、昼食後の質疑応答の内容は、日本国内に限って、二輪車免許制度、購買層、広告宣伝、メーカーとディーラーの関係、利益率、技術開発の在り方、など多岐にわたった。所長さん自身がメーカーチームの監督を務めて海外経験があったからか、海外戦略についても少し伺うことができた。
所長さんからは「二輪車が好きだ」という雰囲気がひしひしと伝わってきた。聞いてみたところ、仕事と趣味が重なったことは良し悪しだとのこと。しかし、「ものづくり」に携わっているから、ということもなかろうが、何がしかの情熱が感じられたことが今回のディーラー訪問の一番の成果だったのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿